あまり目立たないが、断捨離には徐々に効果が現れる点があり、今回はその効果について掘り下げていきます。
この第三回では、理想の生活や自分の価値観に基づいた生活へと近づくことの可能性に焦点を当てます。
不必要な物を手放すことで、自分が本当に重視することを追求しやすくなる理由を、7つの要素に分けて解説します。
自分らしくいられる
不要品を処分することで、物理的な空間が整理され、心もすっきりしてきます。これにより、「物が溢れる時代」よりも、自分らしく生きることができます。
物を多く持ち、消費に注力する生活は、他人を意識した生き方になりがちです。
多くの物を持つ原因は過剰な購入ですが、その理由の一部は他人の存在を意識することにあります。
例えば、自慢したい、センスをアピールしたい、経済的な豊かさを見せつけたいといった動機から物を所有します。
資本主義社会では、特定の物やライフスタイルが成功や幸福の象徴とされ、それを通じて「私は成功している」「私は幸せだ」と他人にアピールします。
他人からの賞賛を受けることで自信が生まれ、自己価値が高まるように感じますが、他人の評価を重視すると、本当の自分の感情は後回しになりがちです。
断捨離を行い、過剰な消費から距離を置くことで、より自分中心の生活が送れるようになります。
本当に大切なものが見える
自分中心の生き方をすると、自分にとって大切なものや価値あるものが明確になります。
以前は、物を集め、保持し、見せびらかし、失わないようにし、過剰に消費することに忙しかったですが、所有品を減らすことで、そうした行為から解放されます。
時間やエネルギーに余裕ができ、「本当にやりたいことは何だろう」と考えるようになります。
若い頃は物を多く持ち、買い物や整理に忙しかったですが、今はそのようなことに使う時間が大幅に減りました。
買い物や消費は時間とエネルギーを奪う行為であることは繰り返し述べています。
ネットショッピングでさえ、気がつけば余計な物を見て時間を費やしてしまいます。
多くの物を手放すと、本当に大切なのは物ではないことを実感し、間違った方向に進んでいたことに気づきます。
3.大切なことに向き合うためのエネルギーが湧き上がる 大切だと感じることが明確であっても、忙しさからそれを追求することができない場合があります。しかし、物を減らすことにより、時間、意識、体力が節約され、本当に時間を投資したい事柄に取り組むことが可能になります。
不要な物を処分することで、心が軽くなり、ストレスが軽減され、以前よりも活力が増します。少なくとも私の経験ではそうでした。
2005年の春、カレン・キングストンの著書を読み、スペースクリアリングの概念について学びました。
『ガラクタを捨てれば、自己が明らかになる』という衝撃的なスペースクリアリングの理念に出会った~ミニマリストへの道(20) この本には、家が不要な物(ガラクタ)でいっぱいになっていると、エネルギーの流れが悪くなり、理想的な人生を実現することが難しくなると記述されています。
不要な物を処分し、空間を整理することで、ポジティブなエネルギーが引き寄せられるとも述べられています。
それが実際に引き寄せられるかどうかは別として、部屋が整理されている方が、気持ちは前向きになります。
前向きな気持ちでなければ、やりたいことに取り組むことはできません。
過去からの自由
古い物をずっと保持していると、心が過去に囚われがちです。しかし、それらを処分すれば、過去の不快な出来事を忘れ、現在の出来事により集中できるようになります。
人々は、自分が好きでない物や、不快な思い出がある物を手放すことが意外と難しいです。
それが贈り物であれば、贈り物をくれた人に対する気持ちから手放せないでしょうし、そうでない物でも、一度手に入れた物を捨てることはもったいないと感じ、捨てられないのです。
物を捨てられないのは恐怖心から~損失回避と、授与効果の心理を探る 元カレからもらったプレゼントを捨てるか、捨てないかは、女性向けウェブサイトの定番の話題です。
「物に罪はない」「使わないけど、高価な物だから」という理由で、物と感情を切り離して保持しているつもりでも、その物を見ると、必ず過去の出来事や、その出来事に対する感情が蘇ります。
それらを捨てると、そういったことを思い出す機会が減ります。
注意が必要です。ガラクタが感情に与える悪影響を見落としてはならない 5.自信が湧く 断捨離という大きなプロジェクトを一定の段階まで進めると、達成感が湧きます。
完全に捨てる必要はありませんが、これまで放置していた部屋から、自分の意志で、所有物を選び、捨てることができたなら、それは成功体験です。
汚い部屋や物で溢れた実家を整理すると、非常に気分が良くなります。
「大変だったけど、一つ一つ捨てて整理した」という経験は、大きな自信をもたらしてくれるでしょう。
もはや、物はそれほど重要ではなく、他人と競争する必要もないと理解したので、日常生活の中にある目に見えない小さな幸せを見つける能力が大幅に向上します。
金銭感覚の変化
人生における金銭観は大きな影響を与えますが、物を断捨離することで、お金への考え方が変わります。以前に比べて、金銭への執着が少なくなります。
好きなものや便利そうなものをどんどん購入する生活を送る時、お金は非常に重要な要素です。
金銭がなければ、そのような生活を維持することは不可能です。
そのため、高収入を得られる仕事を探し、子供の頃からそのために努力します(親が子供に期待することもあります)。
大人になると、お金は単なる手段や道具ではなく、生きる目的になってしまうこともあります。
残念ながら、お金を得ること自体を目標にしてしまうと、なかなか満足できません。
断捨離を通じて、多くの物を持つことが幸福につながらないことを学ぶと、金銭に対しても冷静な考えを持つようになります。
新しいことへの開放性
気持ちに余裕ができ、過去の悪い経験から解放されると、新しいものへの受け入れが容易になります。
自分のペースを守りつつ自信を持つことで、新たな挑戦のハードルが下がります。
今、自分に対するネガティブな固定観念を取り除き、新しい挑戦に向かうためのセミナーやコンサルティング、レッスンが人気です。
しかし、高額なセミナーに参加するよりも、不用品を整理する方がずっと効果的だと私は思います。
セミナーやコンサルティングは一時的な効果にとどまることが多いですが、不用品を整理する行為や、必要なものを見極めるプロセスは、一生続けることができます。
不要な物を持ち続けることは珍しくありません。
物が多すぎると、全てを「大切なもの」と考えがちですが、時々自分の持ち物をじっくり見直すことが大切です。