「昨日、レアステーキを食べたけど、ちょっと赤かったかも……」
「お腹が痛いけど、これってもしかして食中毒?」
そんな不安を感じてこのページを開いてくださった方へ。
この記事では、牛肉をレアで食べたあとに気になる「食中毒の症状」や、「どう対処すればいいのか」などを、できるだけやさしい言葉でお伝えします。
ご自身やご家族の体調が気になる方に、少しでも安心していただけるように書いています。
どうして牛肉をレアで食べると心配なの?
「レア」は必ずしも危険というわけではないけれど…
実は、牛肉の赤身の部分(内部)は基本的に無菌です。
ですので、ステーキなどで表面をしっかり焼けば、中心が赤くても基本的には安全とされています。
しかし、以下のようなケースではリスクが高くなります。
表面がしっかり焼けていなかった
ミンチ肉(ハンバーグなど)で中心が赤かった
常温で長時間放置された肉だった
特にミンチ肉は、表面にあった菌が内部にも入り込んでしまうので、中心部までしっかり火を通すことがとても大切です。
どんな菌が原因になるの?
レアな牛肉による食中毒の原因菌は主に次の3つです。
原因菌 | 主な症状 | 潜伏期間 |
---|---|---|
O157(腸管出血性大腸菌) | 血便・激しい腹痛・発熱 | 1日~8日(平均3日) |
カンピロバクター | 下痢・腹痛・発熱・吐き気 | 2日~5日 |
サルモネラ菌 | 発熱・下痢・嘔吐 | 6時間~3日 |
潜伏期間とは?
菌が体に入ってから症状が出るまでの時間のことを「潜伏期間」といいます。
食べてすぐではなく、翌日〜数日後に症状が出ることもあるので、「時間が経ってるから関係ない」とは言い切れないのです。
症状が出たときのサインと対処法
こんな症状が出たら注意
お腹がゴロゴロする
水っぽい下痢が出る
吐き気や嘔吐がある
38度以上の発熱がある
血が混じった便が出る
これらの症状が1つでも当てはまる場合、食中毒の可能性があると考えましょう。
自宅でのケア方法
まずはあわてず、以下のポイントに注意してください。
水分補給をこまめに(脱水を防ぐために経口補水液が望ましい)
無理に食べない(胃腸を休ませることが大切)
下痢止めは使わないで(菌を体外に出すのを妨げるため)
高熱・血便・嘔吐が続く場合は、すぐに病院へ
特に注意が必要な方への対処法
以下の方々は、重症化しやすく、合併症のリスクが高いため、症状が軽いうちから医療機関に相談するのが安全です。
👶 子ども(特に5歳未満)
下痢や嘔吐が数時間続いた場合でも、早めに小児科を受診しましょう
飲み物を受けつけない、水分が取れないときは脱水のリスクが高まります
機嫌が悪く、ぐったりしている場合はすぐ病院へ
👵 高齢者(65歳以上)
体力や免疫力が低下しており、感染によるダメージが大きくなります
認知症などで「体調の変化に気づきにくい」ケースもあるため、周囲がよく観察を
脱水が急速に進むことがあるので、少量でもこまめに水分補給を
🤰 妊婦さん
妊娠中は免疫バランスが変化し、感染症にかかりやすくなっています
胎児への影響が心配される場合もあるため、下痢や発熱がある場合は産婦人科へ連絡を
自己判断で市販薬を使わず、必ず医師の指示を仰ぎましょう
🛌 基礎疾患のある方・免疫力が落ちている方(がん治療中・糖尿病など)
通常より重症化のリスクが高く、食中毒でも入院が必要になる場合があります
少しでも体調に異変があれば、すぐにかかりつけ医または救急相談センター(#7119)に相談を
このように、体力や免疫の弱い方は症状が軽くても早め早めの対応が安心につながります。
ご自身だけでなく、ご家族や身近な方に該当する方がいる場合にも、ぜひ参考にしていただければと思います。
こんなときはすぐに病院へ
以下のような場合は、自己判断せず、すぐに医療機関を受診しましょう。
血便が出ている
嘔吐が止まらない
39度以上の高熱が続く
高齢者や子どもが症状を訴えている
持病がある方(糖尿病・腎疾患・免疫力が低いなど)
早めに診てもらうことで、重症化を防げる可能性が高くなります。
そもそも「レア」で食べていいの?
ステーキならOK?
基本的には、表面に火が通っていれば赤身の中心がレアでも問題ないとされています。
しかし、これは鮮度がよく、衛生管理された肉に限った話。
特に家庭で調理する場合は、以下の点に注意しましょう。
焼く前に常温に戻しすぎない
表面を強火でしっかり焼く
焼いたあとの肉を室温に放置しない
ハンバーグやユッケは?
ハンバーグなどのひき肉料理は、必ず中までしっかり火を通す(中心温度75℃以上で1分以上加熱)
ユッケなどの生肉料理は、できるだけ避ける or 専用に処理されたものだけを食べる
最後に:不安なときは、早めの行動が安心につながります
「赤かったけど、食べちゃった……」
「子どもと一緒に食べたから心配」
そんなふうに感じているなら、少しでも早く状況を把握して、必要に応じて病院に相談することが大切です。
症状が出なければ心配しすぎる必要はありませんが、少しでも体調に変化を感じたら、自己判断に頼らず医師の意見を聞くことが安心への第一歩になります。